睡眠時無呼吸症候群(SAS)がもっとよくわかる話
いびきで悩んでいた患者さんが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されるまでの話
目次
初回受診時にみられる症状はいびきと睡眠不足
睡眠時無呼吸症候群(SAS)※と診断された患者さんが、初回受診時によく訴える症状はいびきです。
多くの患者さんがご家族やパートナーから「大きないびきをしている」、「時々いびきや呼吸が止まっている」、「いびきが再開したとき苦しそう、あえぐような呼吸をしている」などと指摘された経験があります。
また、いびき以外にも、眠りが浅い、夜中に何度も起きてしまうといった睡眠に関する悩み、さらには、日中に強い眠気がある、疲労感が抜けない、起きたときに頭痛がある、口が渇くなどの自覚症状を訴える患者さんもいらっしゃいます。
このような睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサインを放置していると、仕事や学業に支障をきたす可能性があります。
また、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は生活習慣病と密接な関係があることも報告されています1,2)。気になる症状があれば、早めに受診することが大切です。
※睡眠中に無呼吸状態が繰り返される病気。「10秒以上の気流停止(気道の空気の流れが止まった状態)を無呼吸とし、無呼吸が一晩(7時間の睡眠中)に30回以上、もしくは1時間あたり5回以上ある状態」と定義されています 3,4)。
受診のきっかけは、ご家族からのすすめが多い
睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者さんが医療機関を受診するきっかけの多くが、ご家族やパートナーからの指摘です。大きないびきや時々止まるいびき・呼吸、再開したときのあえぐような呼吸などは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を疑う代表的な症状です。ですが、患者さんご自身は「家族に言われるまで気づかなかった」、「そんなに大きないびきはしていないと思う」と、自覚されていないことも少なくありません。
日中の眠気が強く、ご自身がつらい状況であれば医療機関を受診する方もいらっしゃいますが、眠気の感じ方には個人差があること、眠気が慢性化していると気づきにくいことから、睡眠時無呼吸症候群(SAS)であっても日中の眠気をあまり感じておらず、受診されていないケースもあります。
ご家族やパートナーに、寝ているときのいびきや呼吸の様子について聞いてみましょう。また、寝ているときの様子を録音して、いびきや呼吸の様子を確認するのもよいでしょう。
睡眠時無呼吸症候群(SAS) 検査の流れ
いびきや日中の眠気など睡眠時無呼吸症候群(SAS)に関係する悩みを訴える患者さんには、まずは問診で、睡眠時無呼吸症候群(SAS)に特徴的ないびきがないか、起きているときの強い眠気などの自覚症状や生活の状況、さらに既往歴などについても確認します。いびきの大きさ、呼吸が止まる頻度などはご家族やパートナーが把握している場合が多いため、ご家族と一緒に受診されることをおすすめします。
問診の結果、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われる場合、検査を実施します。検査は体にセンサーをつけて睡眠中の状態を調べる検査ですので痛みはありません。多くの場合最初に、自宅でできる、無呼吸の有無を確認する簡易検査を行います。簡易検査の結果、より詳細な検査が必要と判断された場合には、医療機関に1泊していただき、睡眠と呼吸の質を評価する精密検査[終夜睡眠ポリグラフ(PSG)検査]を行います。これらの結果をふまえながら総合的に診断していきます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS) 検査について、患者さんからよくある質問
検査について、不安なこと、わからないことがあれば、医師や看護師に相談しましょう。ここでは、患者さんからよく聞かれる質問をご紹介します。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は多くの科で診療されており、医療機関によって「睡眠外来」や「睡眠センター」のようなSAS専門の外来を設けている場合もあれば、内科、呼吸器科、循環器科、耳鼻咽喉科、精神科などが対応している場合もあります。
お近くに睡眠時無呼吸症候群(SAS)を診療している医療機関がない場合、またはあるかわからない場合は、まずはかかりつけの医師に相談しましょう。
本サイトでは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査と治療ができる全国の病院・クリニックをご案内しています。
引用文献
1)Marin JM, et al. JAMA. 2012; 307: 2169-2176.
2)Lindberg E, et al. Chest. 2012; 142: 935-942.
3)睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン作成委員会 編: 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020, 南江堂, 2020; 2-3.
4) Guilleminault C, et al. Annu Rev Med. 1976; 27: 465-484.