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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療で生活習慣病も改善?

睡眠中の呼吸改善が生活習慣病に影響も

SASには様々な生活習慣病が合併しますが、SASを適切に治療することで合併症の改善が認められたデータが報告されています。

高血圧の改善

夜も昼も、1日を通じて血圧が安定

SASと高血圧を合併している場合、本来であれば血圧が下がるはずの睡眠中に、無呼吸に伴って血圧が上昇する(ミッドナイトサージ)ケースや、早朝高血圧がみられることがあります。高血圧治療ガイドライン2019では夜間(睡眠中の)血圧が昼間と比べて10~20%低下する正常型をdipper、夜間の血圧低下が少ない型をnon-dipper、逆に夜間に血圧が上昇する型をriserと定義していますが、SASの治療を行うことでdipperへの移行や降圧効果が報告されています。

※ 日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会 編: 高血圧治療ガイドライン2019, ライフサイエンス出版, 2019; 130.

夜も昼も、1日を通じて血圧が安定

心房細動の改善

治療後の再発率が低下

不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)では心房細動発症の可逆的な因子の1つにSASがあげられていますが、生活習慣の改善や治療によって可逆的な因子を解決できた場合は、いったん発症した心房細動が消失する可能性があることが記されています。
また、心房細動にはカテーテルアブレーションと呼ばれる治療が行われることがありますが、これまでの研究で、心房細動とSASを合併している場合、アブレーション治療後に心房細動を再発するリスクがより高いことが報告されています。しかし、SASを合併していても、SASの治療を行っていた場合にはそのリスクを低減できるとの報告もあります。

* カテーテルアブレーション:不整脈を引き起こす原因となる異常な電気興奮の発生個所を、カテーテルを用いて電気的に焼灼する治療法

※ 日本循環器学会, ほか: 不整脈非薬物治療ガイドライン(2018 年改訂版), 2019; 81.

高血圧?不整脈?糖尿病?睡眠時無呼吸症候群(SAS)との合併症は大丈夫?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査・治療には健康保険が適用されます

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監修:久留米大学 学長 医学部 神経精神医学講座 名誉教授 内村 直尚