TEIJIN TEIJIN
医療機関を探す

【第1回】
結婚12年目、健康診断で高血圧といわれた夫のいびきが気になる!

専門家に聞く!
Q2

睡眠時無呼吸症候群を治療すると、
病気のリスクは下がるの?

ママ
actor_left_top

高血圧と睡眠時無呼吸症候群(SAS)の合併には注意が必要なんですね!
そもそも、なぜ高血圧とSASは合併しやすいんでしょうか?

actor_left_bottom
内村先生
actor_right_top

高血圧と睡眠時無呼吸症候群(SAS)をつなぐカギは「交感神経」です

高血圧とSASの関係を理解するためのキーワードは、「交感神経」なんです。
交感神経とは運動したり興奮したりしたときに働く、人間を活動的にする神経です。反対に、体を休めるために働くのが「副交感神経」です。
通常、日中には主に交感神経が優位に働いて血圧を上げ、夜眠っている間は副交感神経が中心になって血圧を下げます。

actor_right_bottom
パパ パパ

ところが、SASの場合は睡眠中にたびたび呼吸が止まってしまうので、そのたびに呼吸を再開させるため、交感神経が働きます。このことが夜間の血圧だけでなく、日中の血圧も上昇させることから、高血圧の悪化につながってしまうのです。

パパ
actor_left_top

交感神経が関係しているのかぁ…。
じゃぁ、高血圧でもSASを治療すれば、脳卒中や心筋梗塞のリスクは下げられますか?

actor_left_bottom
内村先生
actor_right_top

SASを治療すると、高血圧や循環器疾患のリスクが低くなると報告されています

ご主人のご想像通り、SASを治療することで、合併症のリスクが低下する可能性があります。
例えば、SASの治療を行うことで、お薬が効きにくい高血圧が改善するという報告9)や、循環器疾患の発症や死亡リスクが低下した10、11)との報告があるんです。

actor_right_bottom
パパ パパ

また、死亡に関する報告でも、治療をしなかったSASの患者さんでは50歳未満で死亡する割合が高い12、13)とされる一方で、SASの治療を継続している患者さんの死亡率は、SASではない人と差がないとされています12)

内村先生
actor_right_top

まずはSASかどうかの診断を受けていただき、SASであるとわかったら、すみやかに治療をはじめていただきたいですね!

SASの検査と治療▼

actor_right_bottom
パパとママ
actor_left_top2

高血圧だけじゃなく、SASの治療も大切なんだね!

actor_left_top

そうね。まずは受診してみましょう!

actor_left_bottom

参考文献

9)Martinez-Garcia MA. et al. : Eur Respir J 29: 951-957, 2007

10)Marin JM. et al. : Lancet 365 : 1046-1053, 2005

11)Campos-Rodriguez. et al. : Chest 128: 624-633, 2005

12)Vale D. et al. : Eur Respir J 15: 326-331, 2000

13)Marti S. et al. : Eur Respir J 20: 1511-1518, 2002

監修:久留米大学 学長 医学部 神経精神医学講座 名誉教授 内村 直尚