[睡眠時無呼吸症候群(SAS)が招く合併症] リスク2.9倍
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と高血圧
高血圧の発症リスクが約1.4~2.9倍に
米国で一般住民を対象に行われた睡眠呼吸障害の大規模研究「ウィスコンシン睡眠コホート研究」で、SASと高血圧には明らかな関連が示されています。
血圧140/90mmHg以上、もしくは降圧薬を服用している場合を「高血圧症」と定義し、709例を対象に4年後の高血圧発症リスクを調査した結果、SASによる発症リスクは、健常人の約1.4~2.9倍になるというデータが報告されています(※1)。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と高血圧の合併割合
お薬でコントロールが難しい高血圧の陰に、SASの可能性が
高血圧の治療は「食事療法」、「運動療法」、「薬物療法」が中心になります。
まずは食事・運動療法から取り組むケースが多いのですが、それでも改善が見られない場合には薬物療法を併用する場合もあります。
しかしながら、薬物療法で血圧を十分にコントロールできない「薬剤耐性高血圧症」という病態があります。利尿剤を含む3剤以上の降圧薬を適切に用いてもなお降圧目標にまで下がらない場合が該当します。
その「薬剤耐性高血圧症」とSASが特に高率で合併することが明らかになっています。
睡眠中の無呼吸状態が、なぜ血圧を上昇させるのか?
無呼吸状態から呼吸が再開するとき、身体は寝ている状態でも脳は起きた状態になります(覚醒反応)。同時に、睡眠が一時中断状態になり、交感神経が亢進することで血圧が上昇します。
本来、寝ている間は副交感神経が優位ですが、閉塞性睡眠時無呼吸タイプ(OSA)はこうした無呼吸・呼吸再開のパターンを繰り返すために交感神経が活性化され、血圧変動が持続します。
夜間に血圧低下が少ない、あるいは逆に昼間に比べて夜間に血圧上昇を示すケースでは、夜間に血圧が低下する正常型と比較して心血管疾患のリスクが高いことも明らかになっています。
日本高血圧学会や米国高血圧学会の診療ガイドラインではSASが二次性高血圧の原因疾患の1つに位置付けられています。
二次性高血圧は何か別の疾患に付随して生じているので、一般的な降圧薬が効きにくいという特徴があり、かつ原因となる疾患にうまく対処すれば血圧をうまくコントロールできる場合が多くあります。
SASによって生じている高血圧の場合、適切にSASを治療すれば高血圧の改善も望めるのです。
高血圧?それは睡眠時無呼吸症候群(SAS)が原因かも
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査・治療には健康保険が適用されます
自宅での検査もあります
代表的な治療方法のご紹介
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