睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?[患者さんの傾向] こんな人は要注意
生活習慣
夜だけじゃない!日中の生活にも要注意
- タバコがやめられない
- お酒が好きで、寝る前のお酒が習慣化
- 太り気味。暴飲暴食してしまうことがある
- 高血圧、糖尿病、高脂血症などの既往がある
見た目の特徴
痩せているからといって安心は禁物
SASは、太った男性がかかる病気というイメージがあるかもしれませんが、太っていなくても、痩せていても、女性でもかかる病気です。
それは、顔や首まわりの形態的特徴がその発症と強く関連するためです。
SASになりやすい形態的特徴をご紹介しましょう。
- 首が短い
- 首が太い、まわりに脂肪がついている
- 下顎が小さい、小顔
- 下顎が後方に引っ込んでいる
- 歯並びが悪い
- 舌や舌の付け根が大きい
参考: 井上雄一, ほか: 睡眠呼吸障害Update2011, ライフサイエンス, 2011; 54.
自分でできるワンポイントチェック!
鏡の前で、喉を診てもらう要領で大きく口を開けて、舌を下に出してみましょう。
このときに、口蓋垂(のどちんこ)は見えていますか?
上記の図のように口を開け舌を下に出しても口蓋垂が見えていない場合は、形態的に上気道が狭い可能性があります。
もちろん、これらの特徴と一致イコールSASということではありません。
大切なのは、今SASではなくてもその将来的なリスクを知っておくことです。
性別
男性罹患率の高い病気です(※1)。
男性に多い理由の1つに、男性特有の脂肪のつき方が関係していると言われています。
男性は女性と比べて首回りに脂肪がつきやすいため、それが男性のSAS罹患率にも影響していると考えられます(※2)。
ただし、女性でも年代によっては罹患率が上昇するため注意が必要です。
※1 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン作成委員会 編: 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020, 南江堂, 2020; 16.
※2 日本循環器学会, ほか: 循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2008-2009年度合同研究班報告) 2012; 997.
年齢
30~60代のちょうど働き盛りにあたる年代は要注意です。
多くの方が生活習慣病を発症したり、体型が変化したりする年代でもあります。年齢と共に喉や首まわりの筋力が衰えることもリスクを高める一因です。
20歳の頃のご自分を思い浮かべて下さい。その頃と比べて10kg以上太ったというような場合は、首・喉まわりの脂肪が増えて気道を狭くしやすくしている可能性があります。思い当たる方は注意が必要でしょう。
閉塞型睡眠時無呼吸(OSA)は男性に多いことが報告されていますが、更年期以降には女性の罹患率も高まります。また、OSAの特徴的な症状である「いびき」も、加齢と共にその頻度が高くなります。その理由の1つは女性ホルモンの働きにあると考えられています。女性ホルモンの1つであるプロゲステロンには、上気道開大筋の筋活動を高める作用がありますが、閉経によるホルモンバランスの変化がOSA発症に関与していると考えられています。 閉経後では閉経前と比べて発症率がおよそ6倍にもなるというデータも報告されています(※3)。
※3 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン作成委員会 編: 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020, 南江堂, 2020; 8.
関連情報
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査・治療には健康保険が適用されます
自宅での検査もあります
代表的な治療方法のご紹介
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