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[睡眠時無呼吸症候群が招く合併症] 不整脈リスク4倍!
睡眠時無呼吸症候群と心臓病(心疾患)

心臓病(心疾患)との合併は、命に関わる問題

厚生労働省が発表した、「平成23年人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、心疾患は死因順位の2位(15.5%)とされています。それだけ命に関わるリスクの高い病気ですが、心疾患もまた睡眠時無呼吸症候群(SAS)との合併が明らかにされている病態の1つです。

睡眠時無呼吸症候群と不整脈

重症SASでは発生頻度が4倍に!

不整脈とは、脈のリズムが乱れること。
脈が不規則に刻まれるもの以外に、異常に速くなる脈(頻脈)や、逆に遅くなる脈(徐脈)も不整脈です。
筋肉でできている心臓は、電気刺激によって全身に血液を送り出すポンプの役目を果たしています。刺激伝達経路が何かに障害されて電気刺激が心臓全体に伝わらない、または電気刺激そのものが発生しないと、ポンプとして正常に機能しなくなり不整脈を起こします。

不整脈の一種である「心房細動」は、「心房」という心臓を構成する部分が異常な電気刺激を受け、十分に収縮できない状態になること。
日本でもたくさんの患者さんがいることが知られていますが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)とも関連があることが明らかになっています。

ポリソムノグラフィー(PSG)検査を受けた心房細動の既往歴のない3,542名を対象にした研究では、心房細動の発症頻度がSASを合併していない場合で2.1%、SAS合併の場合で4.3%と、2倍以上もリスクが高いことが報告されています。(※1)
566名を対象にした別の研究では、重症SASの場合、SASではない群に比べて夜間の心房細動の発生頻度が4倍以上高かったとも報告されています。(※2)

  • ※1 J Am Coll Cardio 2007;49:565-571
  • ※2 Am J Respir Crit Care Med 2006;173:910-916

睡眠時無呼吸症候群と虚血性心疾患

心臓が血液不足に

「虚血」とは、心臓を動かすために重要な役割を果たす冠状動脈が狭くなる、あるいは詰まってしまうことで、心筋(心臓を動かす筋肉)に十分な血液が届かなくなる状態です。
心臓の血液が不足し、心臓からのSOSとして胸の痛みや圧迫感を感じたりするのが「狭心症」、冠動脈が完全に塞がってしまい心臓に血液が流れなくなって心臓の筋肉細胞が壊死する状態が「心筋梗塞」です。

冠状動脈が狭くなったり詰まったりする原因の一つに「動脈硬化」がありますが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が重症になるほど動脈硬化が進行するという研究報告があります。(※3)

なぜSASで動脈硬化が進行しやすいのか、そのメカニズムは明らかになっていませんが、SASによる間欠的低酸素血症(無呼吸による低酸素状態と呼吸再開後の正常な酸素状態とを交互に繰り返すこと)が体内で炎症症状を起こす原因因子(炎症性サイトカイン)の産生を促進すると考えられています。
また、血管を詰まらせる原因の一つになる血栓の産生や、冠動脈の痙攣にもSASが関与しています。

睡眠時無呼吸症候群との合併でリスクが上昇

スウェーデンの研究によると、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を合併している群では5年間の観察で心血管イベント(死亡・脳卒中・心筋梗塞)の発生率が合併していない群に比べて1.7倍であったことが報告されています。(※4)
また、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)治療を行った急性冠症候群患者を追跡調査した結果によると、閉塞性睡眠時無呼吸(OSAS)合併群で平均11ヶ月の心血管イベントの発生率が優位に高かったという報告があります。(※5)
下のグラフは、心血管イベント回避生存率をSAS合併の有無で比較した結果です。イベントが起こる毎に右下がりのグラフを示しますが、SASを合併していない群ではグラフは横ばい、つまりイベントを起こさずに推移することがわかりました。

  • 経皮的冠動脈インターベンション(PCI):虚血性心疾患に対して心臓の冠状動脈を拡張し血流を増加させる治療法

  • ※3 Am J Respir Crit Catr Med 2005;172:625-630
  • ※4 Am J Respir Crit Catr Med 2001;164:1910-1913
  • ※5 Am J Cardiol 2007;99:26-30

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