一般的に、確定診断とは、「その病気であること」を特定することをいいます。
睡眠時無呼吸症候群の確定診断には、終夜睡眠ポリグラフ検査を行うことが推奨されています1)。
〈参考資料〉
1)睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン作成委員会 編: 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020, 南江堂, 2020; 31.
冠動脈は、心臓が機能するための酸素や栄養素を含んだ血液を心臓の筋肉へ運ぶ役割を担う血管です。右冠状動脈、左前下行枝、左回旋枝の3本に分かれており、心臓の表面を覆っています。
〈参考資料〉
国立循環器病研究センター病院ホームページ
https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/
disease/ischemic-heart-disease/[2025年3月閲覧]
虚血性心疾患とは、動脈硬化や血栓により心臓の冠動脈が閉塞し、心筋に血液がいきわたらないことで胸に痛みや圧迫感があらわれる病気の総称です。代表的な疾患として心筋梗塞や狭心症があり、前兆なく発症し突然死する可能性もあります。主に前胸部に痛みを感じることがあり、歯が痛む場合もあります。
〈参考資料〉
国立循環器病研究センター病院ホームページ
https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/
disease/ischemic-heart-disease/[2025年3月閲覧]
狭心症は動脈硬化などにより冠動脈が狭くなり、血流が低下し心筋に十分な酸素が供給されなくなることで胸が苦しくなる病気です。「労作性狭心症」は、運動や動作時に胸を圧迫されるような痛みが起こります。「冠攣縮性狭心症」は、夜間就眠中から早朝の安静時に発作が起こります。発作が起きた際には、冠動脈を拡張させる内服薬や貼り薬を使うことで痛みが消失します。
〈参考資料〉
JCS/CVIT/JCC ガイドライン 2023年版
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/
2023/03/JCS2023_hokimoto.pdf[2025年3月閲覧]
高血圧は、本態性高血圧と二次性高血圧の2つに分類されます。二次性高血圧は、甲状腺や副腎、血管の病気や、使用薬物が原因で引き起こされます。一方、本態性高血圧は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの病気を原因とせず、遺伝的素因や、塩分の過剰摂取、肥満などさまざまな要因が組み合わさって引き起こされます。日本人の高血圧の約8~9割が本態性高血圧に該当します。日本高血圧学会の高血圧診断基準では、診察室での収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上の場合を高血圧と診断します。自宅で測定する家庭血圧では、収縮期血圧が135mmHg以上、または拡張期血圧が85mmHg以上の場合を高血圧と診断します。
〈参考資料〉
高血圧治療ガイドライン2019 日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会(編)
https://www.jpnsh.jp/data/jsh2019/JSH2019_noprint.pdf[2025年3月閲覧]
高脂血症は、血液中のコレステロールや中性脂肪の値が基準値より高く、脂質代謝に異常をきたした状態のことです。
2007年に日本動脈硬化学会がガイドラインの改訂を行い、「高脂血症」の病名が「脂質異常症」に変更されました。日本動脈硬化学会の脂質異常症の診断基準では、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が140mg/dL以上、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が40mg/dL未満、トリグリセライド(中性脂肪)が150mg/dL以上、これらに該当する場合を脂質異常症と診断します。血液中の脂質が増えると動脈硬化が促進され、脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化性疾患が発症する可能性もあります。
〈参考資料〉
動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2022年版 日本動脈硬化学会
https://www.j-athero.org/jp/wp-content/uploads/
publications/pdf/GL2022_s/jas_gl2022_3_230210.pdf[2025年3月閲覧]
通常、肺には体内でできた炭酸ガスを体外に放出する働きがあります。しかし呼吸不全の状態では、体の組織でできた二酸化炭素を十分に体外に放出できず、高炭酸ガス血症となります。症状が進行すると、頭痛や血圧の上昇、羽ばたき振戦(手のひらを下に向けて両腕を前に伸ばした状態で、手のひらを前に向けて反らせた際に、手のひらがたおれてしまい羽ばたくように震えること)、意識レベルの低下がみられます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)では、無呼吸や低呼吸が起こることで、血液中の二酸化炭素濃度が一時的に高くなる状態を繰り返します。
〈参考資料〉
日本呼吸器学会ホームページ(慢性呼吸不全の項より抜粋)
https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/h/h-02.html[2025年3月閲覧]