睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療


自分の状態に
合った治療法を。
自分の状態と治療の意義を理解することが大切
多くの場合、睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療とは長い付き合いになります。
だからこそ、治療を始める前に自分のSASの重症度をきちんと把握しておくこと、治療の意義を十分に医師と話し合っておくことが大切です。ご家族やベッドパートナーの理解も心強いでしょう。
治療方法には、症状を緩和させるもの(対症療法)と、根本的にSASの原因を取り除くもの(根治療法)とがあり、いずれも個々の患者さんの状態に合わせて最適な治療方法が選択されます。一概にどの治療方法が優れているということはなく、重症度や原因に応じた治療方法が適用されます。
治療とあわせて生活習慣も改善
治療方法に加えて、生活習慣の改善が必要になるのは言うまでもありません。肥満気味の方の場合は首・喉まわりの脂肪が気道を狭くしている可能性がありますので、減量も治療の一環になります。
また、鼻づまりや鼻の諸症状で鼻呼吸がしにくい場合には、まず鼻症状の改善から取り組む場合もあります。
ここでは、代表的な対症療法の「CPAP療法」・「マウスピース」、根治療法の「外科的手術」の3つをご紹介しましょう。
治療の種類
CPAP療法
マウスピース
外科的手術
SAS治療に期待されること
心筋梗塞や脳卒中などのリスクを抑制
未治療の重症SAS患者さんと治療を行った重症SAS患者さんを比較したところ、治療を行った患者群の方が心血管イベントの発症率が減少したという報告があります※1。
さらには、致死的な心血管イベントだけでなく非致死的なイベント※2も抑えることができたと報告されています。
厚生労働省が2024年に発表した平均寿命では、男性は81.09歳、女性は87.14歳とされています※3。いかに"健康に長生き"するかという観点でも、心血管イベントにつながる可能性のあるSASの検査・治療は重要なことだと考えられます。
※1 Marin JM, et al: Lancet 2005; 365(9464): 1046-1053.
- ※2 致死的心血管イベント: 致命的な心筋梗塞と脳卒中
- 非致死的心血管イベント: 心筋梗塞、脳卒中、冠動脈バイパス手術、経皮経管冠動脈形成術
※3 厚生労働省:令和5年簡易生命表の概況, 1 主な年齢の平均余命 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life23/dl/life23-02.pdf【2025年2月閲覧】
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