SLEEP LIFE ~自己投資と睡眠~

SLEEP LIFE

睡眠と健康についてご紹介しています。

いびき・日中の眠気などが気になるご家族がいたら、 ページをシェアしてご活用ください。

良質な睡眠で
生産性を上げよう

睡眠の重要性は、最近ますます重要視されてきており、良い睡眠による 免疫機能の向上1)、ストレスの軽減2)、記憶や学習能力の向上3) などの様々な効果が報告されています。
逆に、睡眠の質が低下する睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの睡眠障害にかかった場合には、集中力の低下等の症状によって、 作業効率や生産性が低下したり、判断ミスにつながったりする可能性があります。
また、睡眠時無呼吸症候群(※閉塞性の場合)は過食を招き、体重がさらに増えやすくなるとも言われています4)。バリバリ働きつつ、素敵な体型を維持したいなら、良い睡眠を取り入れる必要がありそうです。
※空気の通り道である上気道が物理的に狭くなり、呼吸が止まってしまう場合

  • 1)Prather AA, et al: Sleep 2015; 38(9) 1353-1359.
  • 2)Arora T, et al: Sleep Med Rev 2022; 62:101593.
  • 3)Kuriyama K, et al: J Neurosci 2008;28(40):10145-10150.
  • 4)Shechter A: Sleep Med Rev 2016; 34:59-69.

『睡眠は大切』と言われるけれど、忙しい毎日でゆっくり寝ている暇はない。そう思っている方は多いのではないでしょうか。 理想的な睡眠時間には個人差がありますが、成人でだいたい6~8時間 と考えられます。ただし、十分な睡眠をとっているつもりなのに、朝、疲れが取れていない。 そんなあなたはイエローカード。イエローカードの原因の一つが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)です

こんな症状は
ありませんか?

寝ている間

  • いびきをかく
  • いびきが止まり、大きな呼吸とともに再びいびきをかき始める
  • 呼吸が止まる
  • 呼吸が乱れる、息苦しさを感じる
  • むせる
  • 何度も目が覚める(お手洗いに起きる)
  • 寝汗をかく

朝の起床時

  • 口が渇いている
  • 頭が痛い、ズキズキする
  • 熟睡感がない
  • すっきり起きられない
  • 身体が重いと感じる

昼の活動中

  • 強い眠気がある
  • だるさ、倦怠感がある
  • 集中力が続かない
  • いつも疲労感がある

その症状、
SASかもしれません

SASとは、睡眠中に“無呼吸”を繰り返すことで様々な合併症を起こす病気です。医学的には “無呼吸”とは“10秒以上気道の空気の流れが止まった状態”“睡眠時無呼吸”とは睡眠中に“無呼吸が1時間に5回以上起こる場合”とされます。

SASとは、睡眠中に“無呼吸”を繰り返すことで様々な合併症を起こす病気です。医学的には “無呼吸”とは“10秒以上気道の空気の流れが止まった状態”、“睡眠時無呼吸”とは睡眠中に“無呼吸が1時間に5回以上起こる場合”とされます。

寝ている間に呼吸が止まったり再開したりを繰り返すと、血液を通して全身の細胞に届けられる 酸素が不足した状態と正常な状態が繰り返し起こります。 これが、体内に悪影響を及ぼすと考えられます。

私たちの体は「交感神経」と「副交感神経」という2つの自律神経の調節によって、 呼吸や循環、内分泌機能などのバランスが保たれています

寝ている間は体を休める方向に働く「副交感神経」が優位になることが知られており、これが正常な睡眠の状態です。

しかし、睡眠時無呼吸から呼吸が再開するとき、体は寝ている状態でも脳が目覚めた状態になります。すると、本来は昼間など活発に活動するときに働くはずの交感神経が活性化されてしまいます

このように調節機能のバランスが崩れることが、ホルモン分泌の異常や糖代謝の異常などにつながると考えられます。

SASを
放っておくことの
リスク報告

(海外データ)
5)Peppard PE, et al: N Engl J Med 2000; 342(19): 1378-1384. より作成
6)Yaggi HK, et al: N Engl J Med 2005: 353(19): 2034-2041. より作成
7)Mehra R, et al: Am J Respir Crit Care Med 2006; 173(8): 910-916. より作成
8)Reichimuth KJ, et al: Am J Respir Crit Care Med 2005: 172(12): 1590-1595. より作成

適切な対策で睡眠の改善を
目指しませんか

大きな事故を免れたり、仕事の効率が
改善したりする可能性があります
SASでは脳も身体も断続的に覚醒した状態になるので、睡眠中、寝ている本人は気付いていなくても、 脳や身体には大きな負担がかかります。 そのしわ寄せが、日中の強い眠気や倦怠感、集中力の低下などの症状となっているのかもしれません。 「もしかしたら?」と思ったら、早めの受診をお勧めします。

コラム

プロの運転士も気づかないSAS。
大きな事件・事故につながることも

2012年、関越自動車道上り線、藤岡ジャンクション付近で都市間ツアーバスが防音壁に衝突し、乗客7人が死亡、乗客乗員39人が重軽傷を負う大事故が起こりました。
同じ年、 首都高速湾岸線の渋滞中に、ワゴン車にトラックが追突し、ワゴン車に乗っていた4人が死亡、2人が重傷を負う事故も発生しています。
のちにいずれの運転士もSASであることが判明。 SASによる眠気が事故につながった可能性が指摘されています。

健康保険の適応がある
SASの治療

CPAD療法 CPAD療法

上気道に空気が通る十分なスペースがないタイプのSAS(OSA)に対し、欧米や日本国内で最も普及している治療方法です。

CPAPの原理

寝ている間の無呼吸を防ぐために、気道に空気を送り続けることで気道が閉じないようにします。空気を使って気道に“添え木”をするイメージです。

マウスピース マウスピース

マウスピースによる治療の原理

マウスピースを付けて寝ることで、下顎を上顎よりも前方に出すように固定して上気道を広く保ち、いびきや無呼吸の発生を防ぐ治療方法です。

外科的手術 外科的手術

口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)という軟口蓋(のどちんこ)の一部を切除する手術法もあります。

小児の多くや成人の一部で、SASの原因がアデノイドや扁桃肥大などの場合は、摘出手術が有効な場合があります。