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専門医がお答えします!いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)のよくある質問

いびきとSASに関する様々な疑問を、SAS治療の専門医が解説します。

SASにまつわる不安やなぜ?を一緒に解決しましょう!

久留米大学学長
久留米大学医学部 神経精神医学講座
名誉教授
内村 直尚

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は治りますか?

治療で症状をコントロールすることはできます。
無呼吸が生じている原因と部位、重症度などによって、根治療法が適用になる場合と対症療法が適用になる場合があります。
詳しくは、当サイトの治療のコンテンツをご覧下さい。

治療をすれば、いびきや眠気は改善しますか?

一概には言えませんが、気道が塞がるのを防ぐ治療方法であれば、いびきの改善は望めるでしょう。
ただし眠気は個人差があるため、治療で睡眠の質が改善できたとしても、絶対的な量が足りない場合は眠気が十分に改善しない場合もあります。
いびきや眠気の改善以外に、SASを治療することで心筋梗塞や脳卒中などのリスクを抑制することが期待されています

*Marin JM, et al: Lancet 2005; 365(9464): 1046-1053.

治療期間はどのくらいですか?

治療期間はかなり個人差があります。
対症療法を継続されるケースもあれば、無呼吸の原因を完全に取り除いて治療が完了するケースもあります。
個々の症状、無呼吸の原因などによって治療方法や治療期間が異なりますので、医師とよくご相談いただくことをお薦めします。

睡眠時無呼吸はすぐに治療開始できますか?

重症度により治療方法が変わってきますので、まずは検査を受けていただく必要があります。医師との問診で、現在の状況をしっかりと説明した上で、具体的な検査へと進んでいきます。詳しくは当サイトの検査のコンテンツをご覧下さい。

できるだけ機械は使いたくありません。治療方法は選べますか?

症状や無呼吸の原因によって治療法が異なるので、医師と最適な治療方法をよく相談しましょう。
軽症の場合はマウスピースが適用になる場合もありますが、入歯を使用していたり歯槽膿漏など口腔内にトラブルがあると適用が難しい場合もあります。また、中等症以上から適用が多くなるCPAP療法は、鼻づまりなどのトラブルがあるとうまく使用できない場合もあります。
日本で最も普及しているのはCPAP療法ですが、ご自身の生活習慣と状態に合った治療法を選択することが大切です。

痩せれば睡眠時無呼吸症候群(SAS)は治りますか?

無呼吸の原因が首まわりの脂肪にある場合は、減量して首まわりの脂肪が少なくなれば症状が改善する可能性があります。
ただし、原因が複合的な場合には減量しても完治が難しいケースもあります。

治療にかかる費用はどのくらいですか?健康保険は適用されますか?

睡眠時無呼吸と診断された場合、健康保険が適用される治療法はあります。CPAP治療では、3割負担の方で月4,000円強の自己負担がかかります(令和2年4月現在)。マウスピースや外科的手術の場合は、事前に医師へ確認すると良いでしょう。

薬や手術で治せませんか?

場合によっては薬や手術が適用になる場合もあります。
いずれも適用には慎重な判断が必要なため、専門医にご相談いただくことをお薦めします。

骨格に原因がある場合、治りますか?

小顎症などの場合に、手術をすることで睡眠時無呼吸症候群(SAS)が改善するというケースもあります。
ただし、骨格に原因があるかどうかの見極めが重要なこと、手術適用には慎重な判断が必要なことから、専門医によくご相談いただくことをお薦めします。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療をするときに、日常生活で気をつけることはありますか?

治療方法によって細かな注意点は異なりますが、SASは生活習慣病と密接な関連があります。生活習慣病に注意することが、治療上の大原則です。
・適正体重を維持すること
・飲酒は適度に、特に習慣的な寝酒は控えること
・睡眠薬の服用は医師とよく相談することなど

以前に睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断され、手術を受けました。完治したと思っていたのに、最近になっていびきや無呼吸を指摘されるようになりました。一度治療したものが再発することはあるのでしょうか?

可能性としては考えられます。
手術によって無呼吸が発生している部位を改善できたとしても、その後上気道の別の部位が何らかの理由で狭められれば、再び無呼吸の症状が生じる可能性はあります。

検査の結果、早期に治療するほどではないと言われましたが、昼間の眠気がひどくて困っています。

検査では睡眠時無呼吸としては問題なかったにもかかわらず日中の眠気を強く感じる場合は、他の病気を疑う必要があります。眠気の原因には、身体的な問題以外にも心理的な問題が影響するケースもありますので、専門医にご相談することをお薦めします。

CPAP治療は毎晩する必要がありますか?

可能な限り毎晩ご使用いただくことをお薦めします。
CPAP治療は対症療法ですので、装置をつけずに寝ているときは無呼吸の発生を防ぐことができません。ご出張やご旅行にも持ち運びできるサイズですので、できる限り使用することを心掛けて下さい。

CPAP装置は寝ている間中、装着していなければなりませんか?

可能であれば寝ている間中、使用していただくことが望ましいです。
CPAP装置に慣れない間は途中で外してしまうこともあるかもしれませんが、CPAP装置の装着時間が短すぎると十分な治療効果が得られない場合があります。
まずは一晩の間に4~5時間程度使用することを目安にしてみて下さい。

CPAP装置は購入しなければなりませんか?

日本の医療保険制度では、購入ではなく、CPAP装置を医療機関からレンタルして使用するのが一般的です。
機器の保守管理やマスク・エアチューブなど治療に必要な消耗品の供給は医療機関または医療機器供給会社が対応しています。

CPAP装置の運転音はうるさくないでしょうか?

音の感じ方には使用環境の影響や個人差がありますが、寝ている間に使用するものなので機器には静音設計が施されています。

機器を装着した姿がなんだか重装備に見えます。
そもそも、寝ている間にずっと空気が送り込まれていて、眠れるのでしょうか?

CPAP装置の圧力設定とマスクフィッティングが適切であれば、違和感も少なくお休みいただけると思います。
またCPAP装着時は鼻呼吸をすることがポイントです。口を開いてしまうと口から空気が漏れ、目が覚める原因にもなります。
初めて使用するときは、呼吸のしにくさ、特に息を吐くときの違和感を感じるかもしれませんが、多くの方は次第に慣れていきます。実際に、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療ではCPAP療法が国内・海外でも一般的な治療法です。

毎晩長時間にわたって鼻にマスクをつけていて、皮膚や顔の形に影響しないか心配です。

お顔に合わないマスクを使っている場合、またはマスクフィッティングがきつすぎたり弱すぎる場合、マスクと接する皮膚が赤くなったり痕になったりすることがあります。マスクフィッティングを見直し、適切にフィッティングすることは大前提ですが、皮膚と接触面の少ないマスクや、お肌に負担が少ない素材のマスクも選択肢の1つになるでしょう。マスクの種類については医師へ相談すると良いでしょう。

CPAP治療によって自覚症状はすぐに改善しますか?

CPAPを初めて装着して寝た翌朝に今までにない熟眠感を感じる方もいますし、日頃の眠気の感じ方の程度によってはなかなか自覚症状の改善を感じない方もいます。個人差が大きいものです。
自覚症状に変化が無くても、脳波上の睡眠の質が改善していることも多くありますので、自己判断でやめることなく、医師にしっかりと相談しながら治療継続していくと良いでしょう。

CPAPが苦しくて使えないのですが?

処方されている空気の圧力が適正でない可能性があります。鼻づまりや乾燥感、屋内の温度など、使用環境も含めて、一度、医師に相談してみてください。またマスクフィッティングが不十分で、マスクから空気が漏れているため、不快に感じておられるかもしれません。マスクの装着方法を確認したり、マスクの種類について医師へ相談したりすると良いでしょう。

睡眠時無呼吸を和らげる睡眠のとり方はありますか?

仰向けで寝ると身体のすべての部分に下向きの重力が加わりますので、舌や咽頭の上側の筋肉や軟口蓋は、咽頭の下側と後側の壁にくっつこうとします。この状態では、気道が狭くなるか、塞がりやすくなります。そうならないよう横向きに寝るように工夫してみると症状が良くなることがあります。ただ効果は人によって異なるので、医師に相談しながら取り組んで下さい。

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